夢のはざま

鏡女王の物語【水鏡】連載中です。

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 アリアは夜が嫌いだった。
 決まって夢を、あの日の悪夢を見てしまう。決して忘れさせてはくれないあの出来事を。
 声にならない叫び声をあげて目を覚ますと、今度は夜の闇が自分を襲ってくるようで、あの日の森の闇をまた連想してしまう。自分の体をきつく抱いて、固く目をつむり、朝が来るのをじっと待つ夜は幾度あったか数え切れない。

 それが、いつからか、気がつくとぱったり悪夢を見なくなった。
 かわりに誰かがいつもそばにいてくれる夢を見るようになっていた。夢の中ではその人物の姿も声もはっきりしているのに、目が覚めるとその面影は跡形もなく消え去っている。
 不思議に不安は感じられなかった。むしろ、その夢を見る度に安堵感に満たされる。 なつかしく、切なく、時に知らずのうちに涙がこぼれていたこともあったが、夢の中でだけは、アリアは自分がこの上もなく幸福だと思えるのだった。

 なぜ、いつからそんな夢を見るようになったのだろうか。

 もしかしたら、これは、自分の前世の夢なのかもしれない。

 アリアは以前オリシスから聞いた、遥か東の地の信仰の話を思い返した。
 彼の地では、人は幾度となく生を繰り返すものと伝えられているらしい。その伝承と結びついた宗教を、彼の地の人々は信仰しているとオリシスは言っていた。
 ここ、エタニアの国では、キリスト教が国教となっている。キリスト教では人は死ぬと天へ召され、永遠にそこで暮らすのだと教えられている。
 アリア自身キリスト教徒ではあるものの、神の存在を信じていると言い切れなかった。生まれた時からのただの習慣として祈りを捧げているだけだ。神父の説教も、聖書の内容も、時折どうしようもなく受け付けない自分がいる。 自分ほど罪深い人間がほかにこの世にいるだろうか。 告白したところで己の罪が消えるわけではないのだと。
 しかし、彼の地の信仰はアリアの心に素直に受け入れられた。ただオリシスが聞かせてくれた話だからなのかもしれないのだが。
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初めまして、武久縞さん。
クロロホルムダンディのバナナチップボーイと申します。
この度は当ブログにお越しいただいてありがとうございました。
本日はご挨拶にまいりました。

貴ブログの文章読ませていただきました。
読んで最初に「あっ…読みやすい」と思いました。
実直な描写の後に、丁寧に説明がなされており、すんなりと読むことがかないました。
プロアマ合わせても、これほど潔くまとまった文章をかける人を、それほどわたくしは存じ上げません。

ぜひ、今後とも掲載を続けてください。
そして、かないますれば、また当ブログにも遊びにきてください。
といっても、お馬鹿で、まるで乱痴気騒ぎのような場所ですが…。
長くなりましたが、これでご挨拶とさせていただきます。
それではこれで失礼します。

2006.06.10 02:31 URL | バナナチップボーイ #- [ 編集 ]

バナナチップボーイさん、当ブログにへようこそ。コメントありがとうございます。 褒めてくださってもう恐縮しまくりです。 まだまだ未熟ですが、今後も続けますので、また遊びにきてください。

2006.06.11 15:20 URL | 武久 #- [ 編集 ]

はじめまして、雪嶺一九と申します。自分のブログで、小説などを載せたりしている者です。
勝手ながら、幾らか読ませて頂きました。元が時代劇とは思えませんね。楽しく読んでしまいました。
自分のブログでも拙い小説をのせているので、僭越ですが、宜しければご一読下さい。
先の展開も心からお待ちしております。←何か変な文だな?

2006.09.05 13:12 URL | 一九 #- [ 編集 ]

雪嶺一九さん、当ブログようこそ。
綺麗なお名前ですね。

素人作品ではずかしいのですが、最後まで掲載しようと思っていますので、これからも遊びにきてください。
さっそく貴ブログにもおじゃまさせて頂きます。

2006.09.05 17:52 URL | 武久縞 #- [ 編集 ]













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